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母乳のこと2
今回は、母乳育児のマイナスイメージだんとつトップ「眠れない」についてです。
育児休暇中ならまだしも、授乳中に仕事復帰をする場合、昼は仕事、夜は授乳では、睡眠不足になり大変!当然「そんなのやってられない」
ミルクなら夫ができるし!となってしまいますね。
確かに人間は、睡眠をしっかりとらないと生きていけなくて、成人はレム睡眠とノンレム睡眠を4~5回くり返すのが良く、それを考えると最低でも6時間は必要なのだそうです。
それに対して赤ちゃんの睡眠時間は、16~20時間と一見1日のほとんどを寝て過ごすように感じますが、一度にまとめて寝るわけではなく、昼夜問わずこまめに起きては眠るのが特徴です。
抱っこしたり、おっぱいを飲ませようとするとすぐ寝るのですが、またすぐ起きるのです。
お腹の中では睡眠サイクル30~40分毎だったのですから、生まれてすぐにまとめて眠れないのは当然といえば当然のこと。
妊婦さんは、何時間も胎動を感じないことはなかったと思います。
赤ちゃんのリズムにあわせて授乳するということは、とてもじゃないけど、まとめて眠れるはずがなく、健康を害するように感じてしまいますね。
ところがここに、人の体のすごい仕組みがあるのです。
母乳は、プロラクチンというホルモンによって作られます。出産後胎盤がはがれた瞬間から分泌が始まりますが、赤ちゃんが乳首を吸う刺激で何回も最高潮に分泌されます。
出産後、できるだけ早く乳首をくわえさせ、回数の制限なく吸わせるといいといわれるのはこのためです。
このプロラクチンは、母乳を作るだけでなく、ママのレム睡眠を減らし、ノンレム睡眠を増やすなど、
●寝つきをよくする
●短時間睡眠でも満足感がある
といった、睡眠の質を高める働きがあることが分かっています。
産後や授乳をしている間、とにかく眠いとおっしゃる方はとても多いのですが、これは「睡眠不足」というより(それもあると思いますが💦)プロラクチンの作用もあります。
ウトウトしてしまい、赤ちゃんの泣き声で慌てて目を覚ます・・・を繰り返す毎日。
「また寝てしまった!」「やらなきゃいけないことができなかった」と思わずに、いたって自然でよいサイクルが回っていると思っていいのです。
意外とウトウト寝の後は頭がスッキリしているはずです。
結論
産後少なくとも数ヶ月の間は、特別な期間として受け止め、赤ちゃんが眠ったら自分も休息しましょう。眠いときに眠るのです。ママの夜型生活こま切れ睡眠も、必ずや補正されるので心配いりません。
妊娠前のように、お昼寝しないで夜まとめて寝るという生活を目指そうとすると「眠れない」になります。
余談ですが、妊娠中はプロラクチンの分泌は胎盤によって抑制されていますが、胎盤からでるプロゲステロンというホルモンによって、これまた眠気が強くなるといわれています。
あまりの眠気にお昼寝寝してしまうと、夜に眠れなくなってしまい、不眠を訴える方も多いのですが、これは産後の授乳に備えてからだが適応していく過程ともいわれています。
なので、予定日近くなって夜眠れないことにあまり抗わずにいて大丈夫です。(すぐ夜起きる生活になりますから🎵)むしろ出産が近いサインかもしれませんよ。
ホルモンの影響は、パートナーの方にもぜひ知っておいていただきたいですね。
妊娠中、産後、授乳中はとにかく眠い。
母乳で育てたいと頑張っているママには、授乳以外の時間でしっかり休めるようにサポートしていただけると自然のリズムを崩しません。
ちなみにオキシトシンの方は愛情ホルモンとも呼ばれ、母性を目覚めさせ、精神的に安定する効果や、アンチエイジング効果があり注目を浴びています。
女性は、出産後老けるとかやつれるのではなく、ホルモンの恩恵でもっと健康で美しくなれるんです。
注意していただきたいことは、オキシトシン、プロラクチンがたくさん出ない方(実母さんやパパ)が、夜中の授乳など、全て請け負い頑張りすぎると体調を崩します。協力してできるといいですね。
混合栄養の場合も、ホルモンの恩恵を最大限得られるようにできます。それは最初からミルクを一度に足しすぎないこと、赤ちゃんに乳首を吸わせてからミルクを足すことが大切です。
次回は、「母乳のでるしくみ」と「母乳を出すためには」についてお話しします。